【2026年9月】激推し新刊!絵本&児童書【9/1~9/30 読了】

胡桃幼書堂オーナーりすです!2026年9月に読了した84冊から、くり&くろが紹介した作品を含む特におすすめの五つ星18冊を厳選しました。
小学生向けを中心に、幼児の良書もセレクト。物語だけでなく、理系ジャンルや普段あまり興味を持たなかった分野でも、新たな魅力を発見できる一冊に出会えるはずです。
親子での家庭読書の参考に、また学校司書の方の選書の参考にもぜひ活用していただきたい素晴らしい本です。ぜひお気に入りの一冊を見つけてください!

まずはフィクションからだよ!
『おつきさまぽちゃん』
いまいようこ 作 北村人 絵 ひさかたチャイルド 2026/8
3歳~
海や街のグラスへ飛び込むお月さまの幻想的な旅。優しく愛らしい絵と豊かな発想が光り、月やお風呂が好きになる笑顔と温もりに満ちた魅惑的な絵本。
『うんちざえもん』
なかやまゆうじろう さく はやしゆみ え アスコム 2026/9
4歳~低学年
主人公が自身の体内を冒険し、消化の仕組みを学ぶ。縦開きの誌面もあり、臓器の描写が明快で、排泄までの流れを楽しく理解できる絵本。
『おしょくじちゅうごめんあそばせ』
はらぺこめがね 作・絵 岩崎書店 2026/8
4歳~低学年
誰が食べているのかを巡る趣向と、多彩な人物の気持ちの良い食べっぷりを描く。味わい深い絵と意外な顔ぶれが洒落た楽しさを演出するセンスの良い作品。
『てんてんぐもがやってくる!』
あさのますみ 作 中川貴雄 絵 フレーベル館 2026/8
4歳~
言葉に濁点がつくと世界が激変!不思議な雲の騒動を描くオノマトペ絵本。ユーモラスな発想と愛らしい絵柄で、言葉の変化や音の響きの面白さを体感できる。
『うちのいもうと』
ジョアナ・エストレーラ 作 木下眞穂 訳 光村教育図書 2026/7
5歳~低学年
やんちゃな妹へのいら立ちと大好きな気持ちが、色彩豊かに交錯する。手紙形式のおしゃれな表現とクールな絵も魅力的な共感性の高い作品。
『オオカミさんのおきゃくさん』
鹿毛トモタロウ 作 講談社 2026/8
5歳~低学年
内気なオオカミのもとに訪れた意外なお客との珍騒動を描くコミック風絵本。コマ割りを生かした演出とユーモア溢れるオチ、おしゃれな色使いも魅力。
『きみのいすはなかった』
ダニエル・ギル 文 スーザン・ギャル 絵 かわのたろう 訳 岩崎書店 2026/8
低学年~
理不尽な差別に立ち向かった幼少期の体験と教師としての信念を描く実話絵本。クラシックな絵で、人種差別や他者を温かく受け入れる心を深く考えさせる。
『ぼくの地球絵日記 : せかいはひろくてたのしいよ』
鈴木まもる 作 アリス館 2026/8
低学年~中学年
山での暮らしから世界や地球へと視野を広げ、多様な生き物の繋がりを描く絵本。美しい密密な描き込みと語りかけを通じ、自分自身の存在や世界との結びつきを深く考えさせる一冊。
『ベック : ぼくたちの小川をすくえ!』
アンソニー・マゴーワン 作 尾﨑愛子 訳 はたこうしろう 絵 岩波書店 2026/7
中・高学年~
祖父から教わった小川を守るため奮闘する少年の成長劇。軽快なテンポで様々な社会問題や恋を織り交ぜ、瑞々しい絵とともに駆け抜ける爽快な物語。
『フェザー : 白い羽根をみつけた夏』
マノン・ステファン・ロス 作 野沢佳織 訳 静山社 2026/7
高学年~
認知症の祖母のため戦死した大叔父の謎に挑む少年の成長を描く。戦争や老いといった重いテーマを優しく綴り、静かな希望と家族の温かな絆を残す忘れがたい作品。
『大好きだっていえるまで』
ヘザー・スミス 作 代田亜香子 訳 静山社 2026/7
高学年~
母不在の過酷な過去を抱える兄妹の再生を描く。主人公のクールな聡明さと周囲の深い情が光り、辛い境遇の先にある街全体の温もりに心揺さぶられる物語。
『バードボーイ』
キャサリン・ブルートン 作 尾﨑愛子 訳 danny 絵 偕成社 2026/7
高学年~
傷を抱えた少年が豊かな自然と人々に育まれ再生していく物語。難民少年との友情や絶滅危惧種の保護を通し、絶望を乗り越え未来へ踏み出す姿を誠実に描いた力強い作品。

ここからはノンフィクション!
『じぶんでよめるこんちゅうふしぎずかん』
成美堂出版編集部 編著 成美堂出版 2026/9
4歳~低学年
身近な昆虫の生態を季節や場所ごとに写真とイラストで丁寧に解説。誠実な構成と詳細な情報で知的好奇心を満たす、虫への興味を育むファーストブックに最適。
『ヘイベイビー!いま、このくらい。』
松田奈那子 作 荻田和秀 監修 童心社 2026/8
5歳~低学年
コウノトリの案内で胎児の成長を丁寧に追う。実寸大を感じられる趣向や馴染みある物に例えた表現、優しい色彩で、生命誕生の神秘と喜びを低年齢から楽しく学べる。
『このあと、どうなる?くうきのひみつ』
いわママ 監修 PHP研究所 2026/8
低学年~
シリーズ2。息を吹きかける身近な疑問から風の力へと展開する実験絵本。ポップで洗練された写真構成が巧みで、不思議に思う心を引き出し理科への探求心を楽しく育む。
『大切な人が死んでしまったら』
リズ・ゴウガリー 文 スコット・ギャレット 絵 佐藤淑子 訳 玉川大学出版部 2026/8
中学年~
大切な存在の死と向き合う思考や段階を具現化し、分かりやすく解説。心に優しく寄り添う構成で、深い悲しみを乗り越える手がかりを与えるグリーフケアの入門書。シリーズ。
『知るのが楽しくなるおっぱいのひみつ』
今泉忠明 監修 YOUCHAN 絵 創元社 2026/8
中・高学年~
シリーズ。おっぱいの仕組みや哺乳類の進化、文化的な雑学までを網羅した美しい科学絵本。牛の親子がナビゲートする愛らしい絵と優しい色彩で、生命の神秘を専門的に楽しく学べる。
『戦争は終わらない? : 武装解除・紛争予防の現場から』
瀬谷ルミ子 著 Gakken 2026/8
中・高学年~
紛争地で平和構築に尽力する著者の半生と活動を追うノンフィクション。誠実な語りと豊富な写真で現場の空気を伝え、具体的に平和を作る実効性と情熱を提示する。
月間新刊五つ星 2026/9月号総評!

出版市場が穏やかな動きを見せた九月は、総読書数が84冊と三桁には届かなかったものの、その分一冊一冊と丁寧に向き合うことのできた味わい深い一ヶ月となりました。
フィクションは、高学年向けの海外文学において素晴らしい作品の揃い踏みとなり、どの本も読後に深い充実感を残してくれました。悩みが増え、心が複雑で繊細なゆらぎを抱えやすい高学年の時期にこそ手に取ってほしい作品ばかりです。物語を通して自分自身の感情にそっと寄り添う共感を得たり、目の前の現実を超えた広い世界を感じてもらえたらと願っています。
ノンフィクションにおいては、「人の死」や「戦争」という重厚なテーマを扱いながらも、読者の心に優しく届くような秀逸な作品との出会いがありました。なかでも『大切な人が死んでしまったら』と『戦争は終わらない? : 武装解除・紛争予防の現場から』の二冊は群を抜いて素晴らしく、一つの大きな問いに対する確かな道しるべを示してくれるような作品でした。人生の壁にぶつかったとき「手元にこの本がある」ということが大きな安心感につながる、誠に得がたい出合いとなりました。
日に日に気温が下がり、家の中で過ごす読書の時間がより一層愛おしく感じられる季節です。読書に最適の秋、子どもたちの心に温かく灯るような作品を来月も丁寧にご紹介してまいります。

次回も15日くらいを目安にしています。

10月の月間五つ星もよろしくお願いします♪



